平成29年度 東日本パブリックダブルススクランブルゴルフ選手権

9月28日、東日本パブリックダブルススクランブルゴルフ選手権の関東Bブロック決勝が、茨城県のオールドオーチャードゴルフクラブで行われました。出場64ペアのなかから、上位24ペアが11月17日の東日本決勝に進むことができます。

しかしこの日は朝からあいにくの雨。開催も危ぶまれるほどの土砂降りで、スタッフが雨雲レーダーとにらめっこしながら状況を見守ります。しかし、午前９時ごろから雨足が弱まりそうとの予報を受け、スタート時間を30分遅らせました。

会場となったオールドオーチャードゴルフクラブは、コースのメンテナンスがよく、グリーンの水はけもいいため、この土砂降りでもグリーンに水が溜まることはなく、雨足さえ弱まればさほど問題なくプレーできそうな状態でした。

そんな雨のなかでも熱心に練習し、レインウェアを着てのスイングを確認する選手もいました。真の実力者は、バッドコンディションでもしっかりとパフォーマンスを出せることが重要です。

午前８時にトップの組がスタートしても雨足は弱まりません。グリップが滑らないように、体のバランスを崩さないように慎重にティショット。

コースの水はけ自体はよいものの、窪地などには水たまりがある部分も。しかし、カジュアルウォーターの救済さえ受ければ、難しいショットを回避することはできます。ただし、処置を間違えないように注意が必要です。

それ以上にやっかいなのは、雨に濡れたラフ。長く刈り残されたラフが雨に濡れるとさらに重くなるため、無理をして大きな番手を持つと、思わぬ大ミスを招きます。ライの判断力が問われる試合となりました。

オールドオーチャードゴルフクラブは、名匠ジム・ファジオ設計の難コース。フェアウェイもアンジュレーションが強く、傾斜地からのショット力なども問われます。

天候のせいもあり、ピンが水はけがいいところに切られてるケースが多く、難しいピンポジションをどう攻略するか、マネジメント力がスコアを左右しました。

グリーンでは１人目がしっかりとラインを見せ、２人目がキッチリ決めるというペア戦ならではのチームプレーが求められます。しかし、9.5フィートのスピードにキツイ傾斜も相まった高難易度のグリーンに、あちこちからため息が聞こえてきました。

しかし、２人の息が合えばどんどんバーディが取れるのもスクランブルの面白さ。苦しいところでのチップインバーディに、思わずハイタッチ。

「いけ！　届け！」パートナーのショットの行方を追いかける視線にも熱がこもります。

土砂降りだった雨も、天気予報を覆して９時ごろには上がり、午後には陽が差す時間もありました。レインウェアを脱げば、ペアルックのウェアの出番です。

お揃いの黄色いウェアで参戦するベテランペアも。チームプレーなら、まだまだ若いプレーヤーにも負けないぞ！　と気合が入ります。

しかしその好天も長くは続かず、夕方からは強風。最終組がホールアウトする直前には、再び雨がパラつき始めます。早いスタートの組は雨に悩まされ、遅いスタートの組は風との戦い。どちらが有利だったとは一概には言えませんが、どの組にとっても天候への対処力がキーポイントとなる試合でした。

そんな熱戦を制したのは、トータル８アンダーの「お気楽会」のペア。藤田成敬選手（左）と山田順一選手（右）。インスタートの前半、17番ホールでボギーを叩いてしまい、カウントバックで不利になることも予想されましたが、２位に２打差をつけての優勝は文句なしです。7番のパー５でイーグルを獲れたのが勝因だと語ってくれました。

６アンダーの２位は「ひろか‘Z」のお二人。前山聖耶選手（左）と川村一透選手（右）は、元大学ゴルフ部の社会人1年生というペア。インスタートの16番で２人揃って池ポチャを喫しボギーを叩くも、次のホールを粘ってパーを拾い、前半をなんとかしのいだら、後半に流れを引き寄せられたのが大きかったとのこと。

同じく６アンダーの３位は「DAN」。右の金子理選手と、永井秀史選手のペアですが、永井選手が所用で表彰式に出られなかったため、佐藤誠選手（左）が代理での出席。とくにビッグプレーはなかったが２人のプレーが噛み合い、大きなミスなく18ホール戦えた結果だとのことでした。

この日勝ち残った24ペアは、11月にまた同じオールドオーチャードで東日本決勝を戦います。勝手知ったるコースだけに、さらにハイレベルな戦いが期待できそうです。